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映画「ピクセル」観てきた話

ほぼ1年ぶりのブログ更新が映画の感想かーという感じだが、今回はまとめて何かしたためておきたくて、久々に書くことにした。ほんとはちまちま書いては消してる下書きがなかなか終わらない1年ものの記事もあるけど、まあこっちはあとでてもいいや。

前回のエントリからまた1年が経ち、いつの間にか7年目となったが……本を2冊出せた昨年から、以前に比べてもう寂しくなくなったというか、本を読めば、いつでも会える気がして。


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映画「ピクセル」映画『ピクセル』 | ソニー・ピクチャーズがついに公開されたので、初日に観てきた。
5年前、本作の原案となったYouTubeの短編映像PIXELS by Patrick JEAN (OFFICIAL BY ONEMOREPROD - HD) - YouTubeを見て衝撃を受けて、昨年映画化が発表されて以来、日本での公開をずっと楽しみにしていた。
鑑賞前に、海外のレビューでは低評価との情報が断片的に入ってきて、もしかして全体的にチープな映像だったりシナリオが練りこまれてなかったりなどの不完全方面でアレな出来なのかなーと若干の不安もあったが、なんてことない、映像技術も優れていた、普通におバカ映画だった。

自分はゲーオタかつ80年代カルチャー直撃世代なので、本作はあらゆる方面で共感度が高く、出てくるネタというネタは、知ってても知らなくてもすべてポジティブに受け止めたり、元ネタを発見したり理解しては嬉しくてくすぐったい感覚を味わいたい、と思えた。
82年に行われたNASA主催の世界ゲーム大会の記録が入ったロケットを打ち上げたら、マジで宣戦布告と受け止めた宇宙人が作り上げたビデオゲーム兵器なのに、なぜ84年生まれのマックス・ヘッドルームが出てくるん? などのめんどくさい時代考証警察が出動してきそうな箇所は多少あったかもしれないが、こまけーこたぁいいんだよ! という勢いと、実在する登場モチーフに対する(権利許諾関係も含めた)丁寧な扱いぶりが随所に感じられた。台詞の言い回しやネタの入れこみ方は少なくとも「テッド」よりはストレートでポヒュラーで分かりやすくてよかった。元ネタを知ってても知らなくてもひねくれてしまうような映画の見方をしてると無駄に疲れちゃうだけだし、分からなければパンフで親切な解説も載っているのでそちらを買って読めばいい。

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パンフ、言われて気づいたけど、『パックマン』のアーケード筐体モチーフの外箱スリーブを取ると、パンフ本体がアタリVCSのロムカセットデザインがモチーフになってる。

権利やレギュレーションが複雑な他社のゲームキャラクターたちを同次元に映し出すことは、極めて難しい局面もあったはずなので、これらが映像化、実現化されたのは本当に素晴らしく、すごいことなのだ。

人間の文明記録を宇宙へ打ち上げた事や宇宙人側の描写が薄めだったり、初侵略後に人類へ宣告した、宇宙人の定めた3ライフ制5ステージ対戦ルール(裏ワザ・チート不可)がいまいちピンとこなかったり、ラストはいろんな意味でアレでいいのか……みたいな細かい不満はちょっとあるが、彼を見たくて劇場まで来たってぐらいなイワタニ教授は出オチ級にひたすら面白いし、勝利ボーナスキャラのQバートがとにかく超かわいすぎるので、すべては彼(彼女?)に免じて許してやってほしい。ただ唯一気になったのは『ディグダグ』でファイガは出てるのに、プーカは出てなかった。なぜプーカだけいない……!?
と、こんな感じで、画面のあちこちに映るゲームキャラたちをもう一度つぶさにチェックしたいので、Blu-ray化したら絶対に買うことにした。

じつは本作を観る前に、映画「ビデオゲーム THE MOVIE」VIDEO GAMES : THE MOVIE Trailer (2014) - YouTubeのDVDが8月に発売されたばかりで買って見たのも、絶妙なグッドタイミングだった。おそらく本作冒頭の82年ゲーム世界大会のモデルである、アタリのアーケードゲーム大会の映像も収録されているからだ。会場の様子や熱気は、まさにそのものだった。ドキュメンタリーとしてもよく念密に取材されていて映像資料価値もかなり高いので、本作を楽しむ前の必須作品としてオススメしたい。
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また、Qバートが再ブレイク(?)するきっかけとなったディズニー映画「シュガー・ラッシュシュガー・ラッシュ|ブルーレイ・デジタル配信|ディズニーも、あわせて見ておきたいところだ。立場は異なるが、しがないおっさんが主人公という共通点もあったり。

ここについ先日発売されたドキュメンタリー「アタリ ゲームオーバー」ATARI GAME OVER 特別予告編 - YouTubeを加えれば、より一層追従体験ができるかも……などなど、こうしてみると、「ピクセル」とあわせて見たい作品が意外とある。オタは映像やメディアでゲームのことを見るのが大好きなんだよ!