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ゲームサイド編集部の何か

1996年のPSでか靴下

隔月誌や不定期刊行誌仕事をやってると、表紙や誌面で季節的話題をなぜか振りにくく、季節や時節とはまったく無縁になりがちな生活を迎えるようになってぼちぼち長くなるけど、今日はクリスマスってことでフト思い出した話があったので、わりと珍しく季節に寄りそってみる。きっと寒さがこうさせてるのサ……。

 

自分は昔、アニメや漫画やゲームの本ばかりを作ってるオタク系編集プロダクションに5年ほど在籍していたのだが、入社まもないペーペーの頃は、先輩編集のお使いに行ったりゲーム画面をキャプチャーしたりトレスコ台で写真のアタリ取りしたりなど、いわゆる編集のバイト的下っ端仕事全般をやってて、年末も近いある日も、編集部署の中で一人で黙々と頼まれた作業をしていたら、近くのゲーム作業台からドッと歓声が沸いて、何のゲームをしてるんだろう……と覗いてみたら、先輩編集のみんなが届いたばかりのプレステの発売前ゲームサンプルをワイワイと楽しそうに遊んでいて、今まで見たことのないゲーム内容と、一度聴いたら忘れられない音楽が、すっごく面白そうに見えて、もはや仕事どころではなかったが、自分は下っ端身分なので、もちろん作業の手を止めて合間にゲームなどやらせてもらえそうにもなく、必死でその場をこらえた。

『パラッパラッパー』、これが自分との初めての出会いで、1996年だった。

 

パラッパラッパー』は、その後と現在の自分にとって最高に好きなゲームのひとつとなり、あらゆる関連グッズもたくさん集めるほどの大ファンになったが、今回はそのへんの話題がメインでないので、それはさておき。

プレステが発売された1994年末は、高校あたりからしばらく続いていた、音楽や映画や読書などゲーム以外のカルチャーにどっぷり夢中になっていた、いわゆる“ゲーム空白の時代”だったので、すぐにプレステ本体とゲームを買おうとは思わなかった。しかし今後の進路を決める際に、自分の本来のルーツは、やはり幼少時代から慣れ親しんだゲーム雑誌やゲーム攻略本だと何となく気づいて、前出のようなオタク系編プロへ就職したのだけど、ニンテンドウ64セガサターン、プレステの攻略本案件がメインとなりつつあった95~96年の入社頃でも、まだスーファミの攻略本(スーパードンキーコングシリーズとか)をギリギリ作っていたような状況で、とにかく仕事を覚えることでいっぱいいっぱいで、仕事では扱いつつも個人的にゲームをやる心の余裕がほとんどなかったし、スーファミ本体を買った動機が「ドラクエ5がやりたいから」だった自分がやりたいようなゲームが、プレステではいつ出るのかな……とかボンヤリ考えていたら、2年後、職場という思わぬ場所で出会ってしまった。『パラッパラッパー』と!

 

そして12月末、プレステ本体と『パラッパラッパー』を同時に購入したら、プレステ本体に、何かおまけが付いていた。プレステ本体が丸ごと入るという、でっかいクリスマスの靴下だった。

靴下の正式名称を忘れちゃったのでいろいろ調べてみたら、「PSでか靴下」という、本体購入者先着12万名に店頭でプレゼントされたものだが、これ95年の年末キャンペーンで配布されて、自分がパラッパと本体を同時購入したのが96年の年末で……あれー、1年違う!? もしや自分の記憶違い? と不安になってしまったが、出たばかりのパラッパと本体を同時購入したのは確かなので、なぜ1年遅れでPSでか靴下をゲットできたのかは、結局のところは謎である。もしかして買ったお店で昨年余っちゃったのを配ってたとか……?

 

PSでか靴下、実際に持っててかつ本体が入るか試した人がどのくらい存在するかわからないけど、あれ入れてみると入口が結構キツキツで、丸ごと入ると豪語する割には厳しかったような……と思ったら、当時のプレステ関連CMをまとめている記事があった。ほらーやっぱ厳しいよコレ!! あともし自分がサンタさんにプレゼントでゲーム機をもらうなら、こんな感じで本体は包装アリで箱に入ったままのほうがいいなーと思った。


Nintendo Sixty-FOOOOOOOOOOUR - YouTube

今ごろこの坊やたち、どう成長しているのだろうか。まだゲーム好きだといいな。

 

メリークリスマス&よいお年を。